炭焼きとは
炭焼きとは

炭焼きは、木や竹を熱分解という化学反応によって固形分である炭(炭素)と水分とに分離することです。
炭焼きという言葉から炭は木や竹を燃やしてできるものと思いがちですが、炭焼きは熱分解(炭化)であり、燃焼(酸化)とは根本的に違います。
木や竹は、炭素(C)50%、水素(H)6%、酸素(O)44%、その他微量元素によって構成されたセルロース、ヘミセルロース、リグニン等から出来ています。
その木や竹を酸素の供給を制限した状態で加熱していくと250℃前後で熱分解(炭化)が始まります。
炭焼き窯の場合、焚口で木っ端を燃やして炭材を加熱するのはこの熱分解反応を促すためのものです。
セルロース、ヘミセルロース、リグニンはこのこの熱分解反応によって分解され大部分の炭素は炭として窯の中に残り、分解された水分のほか二酸化炭素や一酸化炭素は煙となって排出されます。
この水分を冷却して採取したものが木酢液・竹酢液です。
地球温暖化と炭焼き

地球温暖化の原因の一つとされるCO2(二酸化炭素)を吸収して、大きく成長した木や竹を「炭」にすれば、炭素を固定することができます。
「炭」にすれば燃料に使わない限り「炭」は炭素の固まりとして永久に変化することはありません。
「炭焼きは、いつでもどこでも誰でもできる唯一の炭素の固定閉じ込め手段!」なのです。
したがって、炭焼きは地球温暖化防止に非常に貢献するものです。
炭の活用方法

庭木の手入れをした後の剪定枝、森林整備・竹林整備から出る間伐材、種々の廃材等を炭焼き窯で炭にして有効利用しましょう。
【炭を入れる】◎ごはん・料理をおいしくする
◎お酒をおいしく・水をミネラルウォーターにする
◎お風呂に入れて炭湯に
◎炭でお洗濯
◎炭を砕いて土壌改良材として作物の栄養素に
【炭を置いておく】◎お部屋の消臭・置き炭でにおいけし
◎トイレ・靴箱・台所・車内などの消臭
◎床下調湿炭として湿気対策
◎置き炭したり、ベッドの下に炭や炭シートを敷いたり安眠効果
◎炭で花・生鮮食品・野菜を長持ちさせる
◎タンス・押入れなどの除湿
◎木酢液・竹酢液を薄めて、水周りの汚れを取る
◎花炭、いがぐり炭を作り、オブジェにして室内の消臭に
ぜひご自宅で作ってみてはいかがでしょうか。
※食材に使用する際は、煮沸消毒をしてよく乾かしてからご使用ください。
※消臭・吸着効果だけでよければ、1週間ごとに洗って乾かしてご使用になると、3~6ヵ月使えます。
炭の種類
木炭
木炭には、大きく分けて「黒炭」「白炭」の2種類あり、その性質も異なります。
炭の区分としては以下です。
【黒炭】固定炭素75%以上、精錬度2~8度の木炭
【白炭】固定炭素85%以上、精錬度0~3度の木炭
【備長炭】固定炭素95%以上、精錬度0~2度の木炭
(備長炭は白炭に分類されます)
【黒炭】
黒炭は、クヌギ・コナラなどの原木を400~700℃で焼いた炭で、クヌギ炭・ナラ炭などがあります。
凹凸の多い割れた断面が特徴で、やわらかく表面積が広い形状です。
火鉢・囲炉裏には黒炭が適しており、消臭にも表面積の多い黒炭は効果的。
黒炭はアルカリ性の物質の吸着に向いているので、トイレの臭いなどはこちらが適しています。
【白炭】
白炭とは、樫などの硬い木を1,000℃以上の高温で焼いた炭で、備長炭はその代表です。
硬質でなめらかな質感で、叩くと金属のような音がします。
炭火用としては火が付きにくいですが、火持ちがよく非常においしく焼ける高級料理用炭です。
酸性の物質の吸着が得意なので、タバコの臭いの吸着・消臭に向いています。
竹炭
炭といえば、「木炭」が有名ですが、竹を炭にした「竹炭」というものもあります。
竹炭は生竹の複雑な性質のため、水分調節が困難でうまく焼き上げることが難しく、不良品・欠格品が多くなります。
木炭よりも手間隙をかけないと、よい炭ができないため、収炭率が低く木炭よりも高価です。
竹炭は木炭よりも硬質です。
竹には珪酸とカリウムが多く含まれ、それらが溶けてガラス状に固まる性質があるため、叩くと、キンキンといういい音がなります。
竹炭は炭火としては一部の使い方を除いてあまり適しません。
お部屋の消臭やお風呂で炭湯をされるのには最適な炭です。